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16話

私は車の中から星空を覗き込んだ。最初は気にしていなかったけれど、徐々に不安な感情が忍び寄ってきて、今ではダンテが私をどこへ連れて行くのか本当に知りたくなっていた。

三十分以上も車を走らせていて、彼が私を何か廃墟のような建物に連れて行って殺すか、売り飛ばすのではないかという考えが頭をよぎらずにはいられなかった。彼は私を殺すという脅しを明確にしていたし、そのことを考えるだけで震えが止まらなかった。

近い将来、自分の死の原因となるかもしれない男の隣に座っているという事実は、全く別次元の恐怖と戦慄をもたらした。

心臓が激しく鼓動し始め、呼吸することさえ忘れていたので、不安な考えを払いのけようと頭...