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576話

彼女はカルビンに向かって叫んだ。「ねえ、これ見てよ!ここに別のトンネルがあるんじゃない?」

カルビンは中を覗き込み、目を丸くした。「うわぁ、リース、マジであるよ」

「中に入って確かめてくる」リースは潜り込む準備をしながら言った。

「リース、待って...」カルビンは彼女を引き戻した。「中が危険だったらどうするんだ?」

リースは冷静に言った。「大丈夫よ。セバスチャンが中にいるなら、助け出さないと。それにトンネルがあるなら、ノーランもそこにいるかもしれない。筋が通ってるでしょ?」

こんな隠れ場所は珍しく、ノーランがうろついているかもしれないという予感があった。

カルビンはリースが一人で行...