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第601章「間違い」は究極的には間違っている

十年の歳月が流れていた。彼らの対立は丸十年にも及んだが、公然と、直接対決するのはこれが初めてだった。

彼はジョーの死を望み、ジョーもまた彼の死を望んでいた。どちらも一歩も引かない。譲歩は死を意味するからだ。

二人の男は、互いに相手を殺そうと、熾烈な近接戦闘を繰り広げていた。アラリックは、これほどまでに筋肉を躍動させる機会は久しぶりだと感じていた。

善と悪の勢力による銃撃戦は激しさを増していた。警察はかなりの数の警官を現場に投入していたが、ここはアラリックの縄張りだった。

戦況が拮抗しているかに見えたその時、ジョーの増援が到着し、アラリックは不意を突かれた。

「よう、アラリック。最初の...