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572話彼の秘密を再び発見

ジリアンはもう、大手銀行から始めて次に小さな銀行へと、一軒一軒試していくしかなかった。いつかは自分の口座が見つかるだろうと考えていた。

しかし、大手銀行を四行回っても空振りに終わり、五軒目に訪れたのは、より小さな銀行だった。あまり期待はしていなかったが、試してみることにした。

「この銀行に私の口座があるか、調べていただけますか?」とジリアンは尋ねた。

「かしこまりました。少々お待ちください」

ジリアンが座って待っていると、バッグからうっかりトミーの財布が滑り落ちた。彼女はトミーの運転免許証を目にし、それも行員に手渡した。

「これは夫のものです。彼の口座も一緒に調べていただけますか?も...