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406話

「トミーはもうファーイースト・インターナショナルでデニーの席を引き継いだって聞いたよ」とコーマックは情報を得るなり、アラリックに向かって口を滑らせた。

「言っただろう、あいつは軽い相手じゃないんだ。アンブローズに引き抜かれただけじゃなく、スチュアートの承認まで得たんだぞ。なかなかやるだろう?」アラリックは嘲笑した。「初めて会った時、あいつの大学出たての無邪気な演技に、俺もう少しで騙されるところだった」

コーマックは心配そうに顔をしかめた。「今言われてみれば、確かに只者じゃないな。ネクサス・イノベーションズにいた期間は短かったけど、機密情報にもかなりアクセスできていたはずだ。今ファーイースト...