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378話

アラリックの質問を聞いて、ステランは冷や汗が出るのを感じた。彼女は手元に証拠を持っておらず、それが最も致命的な部分だった。

ステランは頷いた。「ええ、何も持ってないわ」

「証拠がないなら、なぜ彼女が誘拐の背後にいると思うんだ?」アラリックは追及した。

ステランは説明した。「最初は直感だったの。あの小屋に閉じ込められていた時、トッドに聞いたら、彼の反応でなんとなくわかったの。証拠を探そうとしたけど、見つからなくて、だから私は...」

アラリックは彼女の言葉を遮った。「つまり、証拠を探している間、このことを俺に黙っていたのか?」

「そういうわけじゃないわ、会社がすごく忙しくて。何日もマリ...