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997話

クレアのナタリーに対する恨みは消えていった。「蘭の花よ。私は本当に大好きなの。バラが好きな人は多いけど、私には蘭が特別なの」

ナタリーはクレアの視線を追った。

蘭は気まぐれで育てるのが難しいことで知られていた。しかし、このファレノプシスの蘭は見事に育っており、クレアの献身的な世話の証だった。

クレアは立ち上がった。「ついて来て」

ナタリーはクレアの後に続いて二階の彼女の部屋へと向かった。

クレアはジュエリーボックスからダイヤモンドのブレスレットを取り出し、ナタリーに手渡した。「これはエイドリアンの祖母のものだったの。今はあなたのものよ」

そのブレスレットは明らかに価値があり、一目見...