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第1307話シークレット・フィルミング

だが、彼女は妊娠できなかった。

エイドリアンとは避妊をせずに何度も関係を持ったが、それでも妊娠の兆候はなかった。

ナタリーは、以前小さなクリニックで中絶手術を受けたせいで、体に傷がついてしまったのだろうと分かっていた。

エイドリアンはそのことを何も知らない。

そしてナタリーも、彼に話したことはなかった。

彼女はそっと指を握りしめた。

「わかっています。エイドリアンと話し合ってみます」

クレアは言った。「彼と話し合ってどうするの?どうせあなたの言うことを聞くに決まってるわ。あなたから積極的に動かないとだめよ、ナタリー」

ナタリーは俯き、まつ毛が微かに震えた。「はい、わかりました」...