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第1268話フィンランド人は実際にペネロペを売り払った

午後十時、ペネロペはレストランに到着した。

個室の中。

恰幅のいい男がペネロペの姿を認めると、すぐに笑顔で言った。「これはこれは大スター、ようこそいらっしゃいました」

ペネロペが部屋に入ると、フィニアンがいないことに気づいた。

彼女の表情が一瞬にして変わった。

(なんてこと、フィニアンは本当に私を売り渡したんだわ!)

ペネロペはすでにドアのところに立っており、個室の中の数人の投資家たちが皆、彼女に視線を向けていた。

彼女は進退窮まり、笑顔を保ったまま部屋に入るしかなかった。この投資家たちは、彼女が機嫌を損ねることのできない相手なのだ。

彼女が予想していなかったのは、フィニアンがいな...