3話
女の英語は初歩的なレベルだが、彼女はディックを母国語のように話すことができる。
昨夜、というか昨日、ビジネス仲間が取引を祝うためにクラブに私を連れ出した。そこで金髪の彼女を見つけた——素敵な体と、さらに素敵な顔を持つ彼女を。
私は彼女に近づき、高校で習ったドイツ語で自己紹介した。
彼女は笑った。彼女の友達も笑った。
彼女は名前を言ったが、私はすぐに忘れた。私のようにたくさんセックスをしていると、名前と顔は翻訳の過程で失われてしまう。
彼女の友達の一人がグーグルで私を調べたらしい。その「おぉ」とか「あぁ」という声や驚いた表情から察するに、30歳以下の最も金持ちな野郎トップ5のリストに私の名前を見つけたのだろう。私は通常、2位か3位にランクインしている。それはすべて、その日のソーシャルメディア界の大物たちが株式市場でどれだけ稼いだかによる。
金髪の彼女は私の地位を知る前から興味を示していたが、友達が教えた後、彼女は事態を次のレベルに進めた。
私たちが軽い会話と飲み物を終えると、彼女はジェンダーフリーのトイレに私を連れて行った。そこの清潔な、落ち着いたライラック色に塗られた個室で、彼女は私を吸い尽くした。
それから、彼女はもっとをねだった。
かつてのベルリンの壁の向こう側にある彼女のアパートに着くとすぐに、私は彼女の望むものを与えた。何度も何度も、さらにもう一度。
最後は彼女の無垢の木の床で、彼女は絶頂を叫んだ後、崩れるように倒れた。
今、彼女が気を失ったので、私が去る時だ。
シャツを頭からかぶり、ズボンにベルトを締め、それから金髪の彼女を抱き上げて、冷えた彼女のシーツの上に優しく寝かせる。髪を顔からよけると、手が湿っていることに気づく。
「かなり汗をかかせたようだな」
私の触れに、彼女は満足した笑みを浮かべて目を覚まし、柔らかいため息とともに寝返りを打った。
彼女には見えないだろうが、私も笑顔を返し、ベッドサイドのランプのスイッチを消す。
寝室のバルコニーから差し込む月明かりが、私の動きを助けてくれる。一回戦で部分的にはがれ、二回戦で完全に落ちてしまった深紅の掛け布団で彼女を包む。三回戦では彼女が四つんばいになり、私が後ろから激しく突き、腰を彼女に打ち付けた。最後の一戦が床の上で終わって彼女は幸運だった。
私がセックスするとき、家具は動き、壊れる傾向がある。
月が雲の後ろに隠れ、私の目は難なく暗闇に慣れた。少しの間だけ探して、ドアの近くに靴を見つける。それを彼女のベッドの隅に持っていき、彼女を起こさないように注意しながら、靴紐を結び始める。
一晩中いないことに罪悪感はない。長い間、一晩中滞在するのは怠惰な愚か者のためだと思ってきた。それは私が口にすることを拒む約束につながるだけだ。それらの言葉が日の光の下で真実にならないとき、無意味な感情を交わす意味はどこにあるのだろう？
私はビジネスでもベッドでも真実を語ることを大切にしている。女性には最初から何も期待しないでほしいと伝え、それに対処できないなら、対処できる他の女性はいくらでもいる。
満足げな唸り声とともに、靴紐を結び終え、立ち上がって彼女のナイトスタンドから財布を取る。振り返ることなく、ドアに向かい、静かに閉める。
エレベーターはすぐに到着する。中に入り、地下のボタンを押す。すべて順調に進む——髪を整えようとするまでは。私の憂鬱な表情が光沢のある真鍮の表面から跳ね返り、充足感を打ち消す。良いが無意味なセックスの後に私を襲う罪悪感が、いつものようにこれらの出会いの後に私を侵す。その感覚は「最中」は素晴らしいが、その後は常に最悪だ。
いつもこうだったわけではない。
かつて、私にはもっと多くがあった。
かつて、私は愛を味わっていた。
それはすべて婚約者が去ったときに消えた。
この1年間、再び始める勇気を持てたとき、親密さは主に名前のない顔と夜中の帰宅で構成されていた。
「それが私を支えてくれるなら、それでいい」
ほとんど意味のない韻を踏んで笑いながら、私は憂鬱を心の奥深くに押し込む。自分自身に長く失望することはなく、次の衝動が訪れたとき、私はまた外に出て、新しい誰かとつながるだろう。
少なくともニューヨークに戻るまでは。主にジアがいるからだ。
美しいジア。
ジアは元モデルで、サイズ2の体と長い金髪を持っている。彼女の素晴らしい口（彼女が舌で行うことはほとんどの国で犯罪だ）と長い脚が私を引き寄せ続けている。
残念ながら、彼女はしがみつくようになり、いつも次のデートについて尋ねたり、あちこちへのエスコートを頼んだりする。最初から私たちはカップルではなく、決してならないと彼女に言った。彼女は最初それで問題なく、私たちは幸せに他の人と関係を持ち続けた。
嫉妬なし。喧嘩なし。ドラマなし。
数ヶ月前に彼女が「私をあなたの彼氏にしたい」という道を歩み始めるまで、すべてが順調だと思っていた。それは私にとって、行き止まりへの片道切符だ。
「帰ったら彼女がそんなことを言い出したら、終わりにするつもりだ」
口を意図的に曲げて、少しでも悲しみを引き出そうとする。確かに1年間誰かと過ごした時間は何かを意味するはずだ、そうだろう？彼女を失うことを考えれば、何か感じるべきではないか？
感じない。「感じられない」。
痛みも、くすぐりも、心配も。
私は婚約者が去る前からずっと冷たく無関心な野郎だった。そして正直なところ、このままでいることに恐怖を感じている。
エレベーターから出ると、車の轟音が聞こえる。運転手兼万能の相棒、アルフォンソが車で私を迎えに来た。元海軍特殊部隊の彼は、軍の精密さがすべての行動に染み込んでいる。彼の細部への注意と効率性が、私が16歳の頃から彼を雇っている理由だ。
私は助手席に飛び乗り、柔らかい革の座席に沈み込みながらため息をつく。
寡黙な男であるアルフォンソは、単に「ホテルへ？」と尋ねる。彼は車を出口に向けて巧みに小さな弧を描きながら、私の返事を待つ。
「ああ。疲れてたまらない」と私は無表情に言う。
アルフォンソの反応を見る。彼の唇が少し動くが、応答しない。彼はめったに反応しない。にやりと笑いながら、私は目を閉じる。滑らかなドライブとアルフォンソの存在しない会話に、私は眠りに誘われる。