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306話

ローズの言葉はニーヴを夢のように直接黙らせ、彼女は現実と虚構の区別がつかなくなった。

ローズは確かに完璧に元気そうで、薬を盛られた様子は全くなかった。

ローズはもちろん認めるわけにはいかなかった。もし認めれば、彼女の評判は台無しになるだろう。男性と関係を持ったかどうかに関わらず、薬を盛られたことを認めただけで、世間はすぐに噂話と憶測を始めるだろう。

彼女と妹のデラニーとの対立は他人に嘲笑されることになる。ニーヴが不意に被害者となり、彼女の家族も責任を負うことになる。

ローズだけが証言に出て、この茶番劇をリッキーとニーヴの逢瀬に過ぎないものに変えれば、プレスコット家は厄介ごとを避けられる...