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二十九番目のパート2

テイラーは運転手にブレッド&ケーキへ連れて行くよう頼み、私はヘッドレストに身を預けて深いため息をつく。テイラーは私の手を取り、彼の膝の上で握りしめ、親指で私の指の関節をなでる。その仕草に私は心が落ち着くのを感じる。私たちは沈黙に身を委ね、この瞬間にいること以外は何も考えたくない。車がお店の前に停まると、私はカーディガンを身に纏い、深呼吸してから外に出る。テイラーは私の肩に腕を回し、お店の温かさの中へと導いてくれる。

ドアのベルが私たちの到着を告げ、ビアが顔を上げて私たちを見るなり、彼女は駆け寄って私をハグで包み込む。彼女が涙をこらえようとしているのが聞こえる。ようやく彼女は私の顔を両手で優し...