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十三番目

電話の着信音で目を覚まし、まだ熟睡しているテイラーを起こさないようにと急いで携帯を手に取る。発信者表示を見ると母からだった。こんな早朝に電話をかけてくることはめったにないので、少し不思議に思う。

「ねえ、ママ」と私は挨拶する。

「おはよう、ハニー。起こしてしまったなら、ごめんなさい」

「いいえ、大丈夫よ。調子はどう?」

「元気よ、あなた。お父さんと私、昨日ノンナの弁護士から連絡があったの。彼女の遺言の内容について話し合うために、できるだけ早く来てほしいって言われたのよ」

「ああ、わかったわ。もう少し休みをもらえるか聞いてみるわ。上司は気にしないと思うけど」実際、まだかなりの休暇が残っ...