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二十二

「スティックス、必要なものは全部そろってる?」と私はドア枠から顔を覗かせて予備室に向かって尋ねる。

「うん、大丈夫だと思うよ、アブス。改めてありがとう」スティックスは真面目な表情で返事をし、その顔が全てを物語っていた。

私は部屋に入り、ダブルベッドに腰掛けて周りを見回す。「本当に素敵な感じになったね」と私たちのゲストルームの変貌ぶりを眺めながら言う。無地のグレーの壁には今や様々な写真が飾られている。妖精ライトの連なりがヘッドボードの周りに巻かれ、あらゆる場所に本や化粧品、電子機器が散らばっている。

「散らかしてごめん、アブス。まだ全部片付け終わってないんだ」スティックスは私を不安そうに見つめる...