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第574話オーウェンの現れ

パーシーは完全に打ちひしがれていた。苦々しさと絶望感でいっぱいで、もう立ち直る見込みはないと感じていた。

「ジョセフに私が黒幕だと思わせるために、あなたは証拠の土を落としたんだな。お互いを対立させる策略だ。見事だよ、セシリー。まったく予想してなかった」

パーシーは冷笑した。

セシリーは小さく笑った。「過大評価しすぎよ。狡猾さなら、あなたの右に出る者はいないわ。誘拐事件から数年前の車の事故まで、ジョセフの耳元でささやいていたのはあなたでしょう?」

パーシーはもう隠すものは何もなかった。「ああ、でもどうやって気づいた?」

ダリアンが彼女に教えていたのだ。誰かが後押ししなければ、ジョセフに...