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第403話部屋に行く

「病院に行くか部屋に行くか、セシリー、あなたが選んで」

その言葉が落ちるやいなや、セシリーはつま先立ちになり、燃えるような唇をダリアンの唇に押し当てた。ダリアンは彼女の腰をしっかりと腕で包み込み、キスを深めた。

フレイヤは彼らを追いかけてきて、この光景を目にし、ほとんど奥歯を砕くほど悔しがった。

ダリアンがセシリーにキスをしているなんて!

「ダリアンは明らかにセシリーのことを覚えていないのに、なぜ、なぜ彼は彼女にこんなに優しいの?」彼女は内心で怒り狂った。

フレイヤはダリアンのそばで丸一年過ごしたのに、彼は彼女をまともに見たことさえなかった。

今のダリアンにとって、セシリーはほとん...