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第319章生と死を前にして、誰の命がより大切か

「はい」ヴィンセントは眉をきつく寄せ、脳に鋭い痛みが走り、彼は激しい苦痛に襲われた。

彼はセシリーに伝えるつもりはなかった。彼女が知れば心配するだろうと分かっていたからだ。それに、この毒を治せる人は他にいない。エリザだけが毒を抑える解毒剤を持っているのだ。

セシリーは眉をひそめた。彼女は毒や解毒剤についてあまり詳しくなかった。前回彼女が毒を受けたときは、ブレイズがエルダーに助けを求めた。セシリーはヴィンセントを見て、「まだ立てる?」

「ああ、何をするつもりだ?」

「毒を解いてくれる人のところへ連れていくわ」

ヴィンセントは地面から体を押し上げて立ち上がった。「無駄だよ。時間がない」

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