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第89話

第三章

ルーシーは重い足取りで病院に戻った。彼女の心は、自分でもうまく掴めない感情の奔流で麻痺していた。消毒液の匂いが漂う廊下に足音が響き、彼女は前へと歩を進めた。母親の遺体は今や冷たい遺体袋に包まれ、死体安置所へ運ばれるのを待っていた。

彼女は涙を呼び起こそうとした。胸を圧迫する窒息するような重みを和らげるために、何かしらの悲しみを表に出そうとした。しかし涙は出てこず、彼女は虚無と空虚の虚空に閉じ込められたままだった。冷たく凍えた彼女の心の中には、悲しみを嘆く余地も、悲しむ空間もなかった。

代わりに、彼女の心は実務的なことでいっぱいだった。母の死後に待ち受ける終わりのないタスクのリスト...