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第72話

第36章

情熱が収まると、アレッサンドロはグレースの隣に横たわり、彼の呼吸は重いながらも安定していた。二人の共有した快楽の強さが薄れていく中、アレッサンドロは自分自身の絶頂に達することができないでいた。グレースは彼の満たされない欲望を感じ取り、彼を親密に触れようと手を伸ばした。彼を完成へと導こうと申し出たが、アレッサンドロは彼女を驚かせるように、優しく彼女の手を押しのけた。

「大丈夫...我慢できる」と彼はつぶやいた。その声には奇妙な抑制と切望が混ざっていた。

グレースは罪悪感を覚えながら主張した。「でも、それは公平じゃない...あなたにも喜びを与えたいの」

しかし、アレッサンドロは優し...