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第857話なら議論することは何もない

警察が到着した。

鑑識官がすぐにバルコニーへと駆けつけた。

入念な確認の末、ジゼルに生命の兆候がないことが確認された。

蘇生の必要はなかった。

鑑識官は、度胸のある警官を数名呼び、ジゼルの遺体の搬送を手伝わせた。

彼らが彼女を運び出そうとしたその時、ジャスパーが眉をひそめて割って入った。

彼は白いシーツ越しに、その亡骸をそっと抱きしめた。

「ジゼル、心配するな」

「君をこんな目に遭わせた奴は、俺が必ず見つけ出す」

ジャスパーは静かにため息をつくと、自分のジャケットを脱ぎ、ジゼルの体を覆う白いシーツの上にかぶせた。彼は鑑識官に向き直る。

「署で検死が終わったら、彼女を頼む」

「ドレスが露出すぎる...