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第822章、決して良くならないようにしましょう!

「狙撃手です。南東の山から。距離がありすぎて追跡は不可能です」

デイビッドの隣にいた黒服の男の一人が頭を下げた。「今夜は急いで駆けつけたため、防御用の装備は持ち合わせておりません。先ほど何者かに狙われていることには、気づけませんでした」

その言葉は、デイビッドとアデラインの両方に向けられたものだった。

ルーシーの亡骸を抱きしめ、アデラインは顔を上げてブランドンを睨みつけた。ルーシーの死は間違いなくブランドンの仕業だ――彼女の直感がそう告げていた。

アデラインに睨みつけられ、ブランドンは目を細めた。彼はとっくにルーシーが信用ならないことを見抜いていた。先ほどジャスパーが現れたとき、密かに狙...