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第784話私のために立ち上がってくれ!

フィービー邸の居間。

デイジーは大皿の果物を食べ終え、二階へ上がろうとしていた。

近くでくつろいでいたオリバーが、ソファとテーブルの間に長い脚を伸ばし、彼女の行く手を遮った。

「起きたばかりでもう部屋に戻るのか?」

オリバーの鋭い目がデイジーの首筋にあるキスマークを捉え、唇にはかすかな、どこか冷めた笑みが浮かんでいた。

「昨夜はずっと家にいたのか?」

デイジーは彼を睨みつけた。「あなたには関係ないでしょ!」

「お前が家にいたのなら、俺には大いに関係がある」

オリバーはにやりと笑い、彼女の首筋の痕を指差した。「随分と激しい夜だったようだな?」

デイジーは凍りつき、思わず近くのガラスに目をやった...