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第49話

「とにかく、アリス、俺はまだお前に罰を与えて欲しい」彼は乗馬用の鞭をちらりと見ながら言った。

「あなたを困らせて、私の心を勝ち取るのを難しくしたから、もう勘定は済んだと思って」私は彼に説明する。

彼を罰するために鞭で叩くという考えは、私の頭には一度も浮かばなかった。

「マジで、お前は俺を苦しめた。俺の話を聞く気がなかった」彼がそう言うと、私はくすりと笑う。

「今度から私を怒らせる前に十回は考えてね。いつだってこんな風に苦労させるんだから。私の罰の与え方はユニークだって知ってるでしょ」私はウインクをして、二人で笑い合う。

「ちょっと待って」テーブルの上で電話が鳴ると、彼はそれを取りに行...