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第31話

アリスの視点

レストランに入るとき、私は不安を感じながらゆっくりとした足取りで歩いていた。彼は振動するボールを最低の強さに設定していたけれど、歩くたびに中で動いて、私を狂わせていく。

家にいるなら、この感覚を楽しめただろうけど、人前ではあまりにも苦痛だった。

認めざるを得ないけど、このモンスターは罰を与えるのが上手い。そして彼は、本当の感情を隠して自分がまだモンスターであることを証明するために、わざと私をもっと罰しているのだと思う。

いつになったら彼は、私がすでに居場所を作ってしまった心を持っていることに気づくのだろう。

でも、彼も私に対して感情を持っていると知るのは大きな安堵だ。彼...