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第89話

プライベートルームの照明は、安っぽいホラー映画のようにちらついていた。

ドナが先に颯爽と入ってきて、何か言い、ドアのところで待機していたマーガレットに振り向いて呼びかけた。「こっちに来なさい」

マーガレットはトレイを命綱のように握りしめ、ハイヒールでよろめきながら部屋に入った。

「イングラムさん、こちらが新しい子です。優しくしてあげてください。怖がらせないでくださいね」ドナは、金のチェーンと花柄のシャツを身につけ、整えられた髪をなびかせソファに寛いでいるレックスに甘く語りかけた。

レックスはにやりと笑い、顎を撫でながら言った。「もちろんさ、もう行っていいよ」

ドナは立ち去りながらマー...