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第486章レイモンドは拒否される

過去を振り返り、レイモンドはそれが罪悪感なのか、それとも単なる神経の高ぶりなのか、自分でもわからなかった。

その顔はこわばっていた。

がっしりとした手が、年代物の、装飾が施されたライターを握りしめていたが、何度試しても火はつかなかった。数回試みた末、彼は諦めた。

唇からくわえていた白い煙草を抜き取ると、真っ二つに折り、濡れた地面めがけて車窓から放り投げた。

金属フレームの眼鏡の奥で、その瞳は赤く充血していた。

車を発進させると、空港へと車を飛ばした。

まさか、すべてを始めたのが自分で、マーガレットの家族を破滅に追いやった張本人が自分だったとは、レイモンドは夢にも思わなかった。

今...