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第475話俺たちはチームだ、誰も逃げられない

何よりも胸が張り裂けそうだったのは、電話の向こうから聞こえるレイモンドの嘲るような声だった。「また詐欺の電話か」

電話は唐突に切れた。

サラは間近に迫った婚約の幸福感に浸っており、何も疑っていなかった。レイモンドが彼女の腰を引き寄せると、濃い色のシャツに包まれた彼の胸に、サラは不意にぶつかった。

サラは顔を赤らめ、ふざけたように窘めた。「白昼堂々、何してるの? 誰かに見られたらどうするの?」

「もうすぐ婚約するんだ。見られたって構わないだろう?」レイモンドは薄笑いを浮かべ、彼女の腰から手を離すと、ポケットから煙草を取り出した。「一緒に中に入るか?」

彼女はためらった。「先に行って。私はもう少...