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第464話カップルのように一緒に立つ

ようやくダニエルの車にたどり着くと、彼は後部座席のドアを開けてくれた。

「前に座りたいの」マーガレットは言った。

ダニエルは一瞬ためらったが、すぐに理解した。彼女はまたレイモンドを試しているのだ。

彼は後部座席のドアを閉め、助手席のドアを開けた。

雪は降り続いていた。

マーガレットは息を吐き出し、数分間待った。

レイモンドは彼女を止めに駆け寄ってはこなかった。

聞こえるのは、冷たい風が雪の結晶を揺らす音だけだった。

彼女は賭けに負けたのだ。

目に涙が滲んだ。マーガレットは振り向き、レイモンドの気配を感じた。

ただ、正確にどこにいるのかは分からなかった。

背後に焼けつくような視線を感じた。

彼女...