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第391話ガチョウはペアで飛ぶ

レイモンドとマーガレットは日に日に回復していった。おそらく、お互いがいたからだろう。

レイモンドは徐々に外出できるようになった。彼は全身の痛みを感じながら目覚め、マーガレットが彼の車椅子を押して、病院の敷地内を散歩し、新鮮な空気を吸い込むのだった。

二人は雲が流れていくのや、夕日が沈むのを眺め、夕焼けが空を鮮やかな赤色に染めていった。

終わりのない吹雪はついに止んでいた。

マーガレットはレイモンドと一緒に、病院の周りにある丈夫な木々を見つめていた。かつては葉のなかった枝に、今は新鮮な緑の芽が吹き始めていた。

澄んだ青空には、ペアで飛ぶガンの群れが点在していた。

近くの電線には、二羽...