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第325話

レイモンドの心の中はさらに苦々しさを増した。外から見れば彼がマーガレットを大切にしているのは明らかだったが、マーガレット自身にはそれがわからなかった。

彼は病室のドアを押し開けて入った。

病室は広く、患者はマーガレット一人だけだった。

彼女はゆったりとした病院のガウンを着て、窓際に力なく立っていた。

彼女は背中を彼に向け、顔色は青白く、髪は乱れ、もつれた束のようになっていた。

きっと考え過ぎた結果、こうなってしまったのだろう。

まぶたを上げると、マーガレットは窓の外を見た。雪は特に激しく降り、イヴリンに誘拐された日よりもさらに激しかった。

彼女は手のひらを伸ばし、冷たい風に運ばれ...