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第885話玄関でわざと彼女を待っていた

「わかった。俺が負けたら、お前の欲しいものを何でもくれてやる」とベンジャミンは言った。

「言ったな。だが、なぜ九月までなんだ?」

「ヴィクトリアの誕生日は九月だからな」とエドワードは言った。

最近ヴィクトリアへの誕生日プレゼントを考えていたオリヴィアのおかげである。

ベンジャミンはやれやれと首を振った。

しかし、エドワードはさらに得意げに笑みを浮かべた。

ベンジャミンは希少な品を数多く所有しており、エドワードはどれを選ぼうかと品定めを始める気でいた。

ハリントン邸。

広い屋敷にいるのはアレクサンダー一人だけだった。彼は書斎で書類に目を通しており、一方、階下では数人の使用人が階段...