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第854話刺すような痛み

「ショーリさんがいるのよ」

ヴィクトリアは不安げに説明した。

「もしいなかったら?」

「いなかったら、このデスクがどれだけ『使える』か、あなたに見せてあげるわ」

ヴィクトリアは自分がどうかしているに違いないと思ったが、まずはアレクサンダーに出て行ってもらうことにした。

「君が言ったんだぞ」

アレクサンダーは彼女に念を押した。

「約束するわ」

ヴィクトリアは歯を食いしばった。少しでも時間を稼げれば、それでいいと考えながら。

アレクサンダーは彼女の澄んだ瞳を見つめ、彼女が何か企んでいると感じながら背を向けた。

元々は彼女を一緒に連れ出すつもりだったが、どうせオフィスの中では逃げられない...