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第843話後ろから噛まれた

「エロイーズ・ハリントン様、私どもは本日、いかなる罰でもお受けする覚悟で参りました。ですが、どうか、ブライアント家とハリントン家のこれまでの関係に免じて、デイジーに更生の機会を、そしてブライアントグループに償いの機会を与えてくださいませんか」

ジェロームは謙虚に懇願した。

だが、エロイーズは首を横に振るだけで、「出て行け」とだけ言った。

「ジェローム殿、もうお引き取りください。私どもも今しがたこの件を知ったばかりで、母の血圧も不安定なのです。この話はまた後日にしましょう」

マキシマスがソファから立ち上がり、彼らを送り出そうとした。

エロイーズの表情を見て、ジェロームはそれ以上...