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第802話アウトサイダー

「なぜです?」

ショウレは一瞬、虚を突かれた。最近、法務部が早出を要求されるような案件はなかったはずだと思ったからだ。

「ヴィクトリアが離婚を望んでいる。だから、それに付き合ってやっているのさ」

アレクサンダーは微笑みながら説明した。

今回、彼がそういったことを口にするとき、動揺している様子はなかった。それどころか、どこか期待の色さえ窺えた。

ショウレは真剣な顔で彼を見つめたが、アレクサンダーが何を計画しているのか理解できなかった。

ただ、以前ヴィクトリアの嘘に手を貸した時のことを思い出し、アレクサンダーの意向に従うことにした。

業務が始まると、皆すぐに忙しくなった。アレクサンダーには目を通...