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第617話

「信じて」

ルシアンの優しいささやきに続いて、ロクサーヌの唇に柔らかいキスが落ちた。

ロクサーヌは思わず息を止め、目の前の男をぼんやりと見つめた。

彼女は先ほどの彼の言葉を思い出し、瞳を揺らしながらようやく心を開いた。

ルシアンはキスを深めたかったが、ロクサーヌの気持ちが確かではなかったため、慎重に様子を伺うしかなかった。それを感じ取り、ロクサーヌはゆっくりと目を閉じた。

次の瞬間、ルシアンは彼女を腕の中に引き寄せ、熱いキスで包み込んだ。

長い時間が経ち、ロクサーヌは息が切れ始めた。彼女がルシアンの胸を押すと、彼はようやく渋々彼女を離した。

ルシアンは眉をひそめながら激しく息を切らし、その目...