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第55話

編み終わった後、ロクサーヌはエステラを連れて出た。

彼女が振り向くと、ドアに立っている男性の姿が目に入った。

瞬時に、ルシアンの目に宿っていた温かさが消え、無関心な表情に取って代わった。彼は丁寧に告げた。「朝食の準備ができたよ。下に行こう」

そう言うと、彼は二人を待たずに踵を返して立ち去った。

ロクサーヌはその場に釘付けになった。

今の彼の表情は違っていた。ほんの一瞬だけ見えたけれど。私の見間違いだったのかしら？

我に返り、ロクサーヌはエステラを連れて階段を下りた。

エステラはダイニングテーブルでルシアンの隣の席に座った。

ロクサーヌが二人の向かいの席に座ろうとしたとき、エステ...