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第296話

エステラは手に取った最初の貝殻を眉をひそめて見つめていた。まるで何かアイデアが浮かぶのを待っているかのようだった。

彼女はその貝殻をロクサーヌに贈りたかったが、何を作ればいいのか分からなかった。

長い間考えた後、エステラは慎重にルシアンの袖を引っ張り、彼を自分の席まで連れてきた。

ルシアンは少女に困惑した表情を向けた。

「パパ」エステラは懇願するような目で彼を見た。「これをジャービスさんにプレゼントしたいんだけど、何を作ればいいか分からないの」

ルシアンはその頼みに眉を上げた。彼女がロクサーヌにプレゼントを渡したいなんて思ってもみなかったが、手芸は得意ではない。

アイデアが浮かばず、彼の額にし...