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第50話

ジェイク

こんなにも無力感と怒りを同時に感じたことは記憶にない。まあ、母の葬式の時はあったかもしれないが、あの時は子供だった。ローランドから守ってくれる母に頼っていた。今は大人なのに、こんなに誰かに心を奪われるべきじゃない。母が亡くなった時は十分に辛かったが、ペイトンがいない世界なんて想像できない。彼女はこんなに短い間に私の全てになってしまった。もっと分別があるべきだった。彼女が私の世界に属さないことを知るべきだった。くそっ、トリクシー、何をたくらんでいるんだ?なぜだ?

クラブハウスに戻るため、猛スピードで街を走り抜けている。マイクとルークがそこで会う約束で、ローランドの部下がUSBド...