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第44話

私はパニックに陥り、携帯を掴むと次々と電話をかけました。ブラッドの周りの知っている番号の人たちに片っ端から電話しましたが、誰も出ませんでした。

ジェームズとマシューにも何度も電話しましたが、やはり応答はありません。

「みんな消えてしまったの?ブラッドに何かあったの?」私は動揺して、バラのアーチをくぐり抜け美術学院まで走り、スタジオに飛び込みました。

スタジオのドアはしっかりと施錠されていて、どれだけ強くノックしても誰も応えませんでした。

終わりです。ブラッドを見つけることができませんでした。私の世界は崩れ去りました。

寮に戻った私は、あまりの動揺で食事もせず、そのままベッドに入りまし...