Read with BonusRead with Bonus

第72話眠れない

「他に何か気になることでもあるのか?」パトリックはぶっきらぼうに尋ねた。「今夜、全部吐き出してしまおう」

ヴェラは首を横に振った。「もう何も言いたくないわ」

「なら、言うな」パトリックは立ち上がり、テディをベッドに寝かせると、部屋を出て行こうとした。テディはマットレスに置かれるやいなや、寝返りを打って身を起こし、大きなベッドに自分一人で、パトリックとヴェラがそばにいないのを見て周りを見回した。

パトリックが出て行こうとした時、ヴェラがさっと立ち上がった。「パトリック、どこへ行くの?」

「書斎だ」

「テディがまだお風呂に入ってないの。先に手伝ってくれない?」

「じゃあ、風呂はなしだ」...