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第701話待望のチェリー

ヴェラはテディを抱きかかえるのに苦労していた。「テディ、それは食べちゃダメよ」

テディは口を開け、ヴェラの唇を噛もうとした。

「ママが先に味見してあげるね」

しばらくして、ヴェラはぽっちゃりしたテディをパトリックに手渡した。

ミロは皆を中へ案内した。中では既に人々がサクランボを摘んでいた。彼らはミロを温かく迎えた。

中に入ると、ミロは大げさに手を振った。「自由に楽しんでください。木からどのサクランボでも摘んで食べていいですよ」

ヴェラは赤いサクランボの房を見た。まるでガーネットのビーズの連なりのように、その赤さが誘惑的だった。

彼女はつま先立ちになって低い位置にあるサクランボに手...