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第777話

オフィスの中に入り、アレクシが何時間も閉じこもっていた部屋のドアをノックしながら彼の注意を引く。今日も別のぴったりとしたジャージーのドレスを着ている。今回は長袖でストレッチの効いた黒いドレスで、私の気分に合わせた色だ。ゴールドのベルトで差し色を入れ、キラーヒールの靴とコーディネートしている。スリークでシックな装いだけど、一日中気分が晴れない状態だ。昨夜から、どこへ行っても暗い雲を引きずっているような気分で、敵意のあるエネルギーがじわじわと沸き立っている。

「何の用だ?」彼はノートパソコンから目を離さず、タイプし続けている。私はドアのそばでためらいながら立っている。今日初めて彼と顔を合わせると...