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第760話

アレクシは違った様子で、私に対する態度も変わっている。だが、他の人に対しては相変わらずだ。彼のこういう一面を垣間見るのは、誰もいないときにミコや家族と過ごす素の彼を見るようなもの。ミコがプライベートで遠慮なく質問したり反論したりする相手。公の場で見せる、あの支配的でサディスティックな嫌な奴ではない。

今は時間帯のせいでクラブはまばらで、いる人たちはさほど重要でないスタッフか、警備担当のカレロの部下たちだけ。彼がよく知っているカレロの部下がほとんどだ。アレクシはリラックスして警戒を解き、物思いにふける上司の態度を崩している。私を無視しているが、私がいる部屋でも何の演技もしていない。

これは単...