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第718話

彼が何を考えているかなんて知ったことではない。ただ薬をもらって、永遠に一人にしてほしいだけだ。彼の存在は鉛の重りのようで、この四十八時間、彼に会いたくてたまらなかったにもかかわらず、今わかるのは、彼がどれだけ私を嫌な気持ちにさせるか、彼が私にどんな感情を抱かせる能力を持っているかを思い出させるだけだということ。

「ほら」彼はハンカチを差し出す。突き返したい気持ちはあるけれど、顔には涙が流れ、鼻水は止まらないから、彼にどこへ行けと言いたくても、またしても目を合わせないようにしながら、それを受け取る。

「優しくしないで。嫌だし、あなたの動機を疑わせるだけ。そうすると落ち着けないの」私は子供っぽ...