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第675話

「あなたに私の悲しい過去を話すつもりはないわ、カレロ。それは話し合うべき隠された傷なんかじゃない。私は人生で前に進み、自分に起きたクソみたいなことを忘れるのが得意なの。それにあなたは泣き付く肩なんかじゃない。まあ、私にはそんなものが必要ないけど」私は彼から距離を取るために離れる。彼の存在が突然、息苦しく感じられて落ち着かない。彼が近づくたびに体がまだ震え、彼が悪魔だと思っていても、胸のときめきを抑えるのに苦労している。きっと彼の香水か何かが、彼が何もしていないのに私をこんな風に反応させるのだと思う。時には彼が触れなくても起こることがあり、それをコントロールできないことが嫌だ。悪魔の魅力とでも言...