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第670話

カーテンが上がる寸前に私たちはボックス席に戻り、アレクシは私を彼とデマジオ氏の間に座らせた。座ると同時に、年配の男性がアレクシの視界の外で親指で私の太ももを隠れるように撫でた。私は全く反応せず、冷静さを保ち、顔に笑顔を貼り付けたが、体中の肌が縮こまり、内臓がきゅっと締め付けられる感覚があった。

どうやら私はこの手の駆け引きから長く離れすぎていたようだ。アレクシのクラブで短期間働いていたことで、男性の不意な接触に対する免疫が弱まっていた。少し鋭さを失い、以前ほど無反応ではなくなっていた。

反対側にいる彼の若い友人はバルコニーから覗き込もうと前のめりになり、彼女の汚らしい年配のエスコート役に全...