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第612話

ベッドで目を覚ますと、アリックが私を抱きしめていた。彼はまだ完全に服を着たまま、シーツの上で私をしっかりと抱きしめ、彼の顔は私の頬に触れていた。彼は眠っていて、その乱れた様子から、ドアを入るなり私のベッドに這い込んできたことがわかる。彼はまだ靴を履いたままで、スーツケースは寝室のドアに立てかけられ、その上にジャケットが置かれていた。

私は眠ってしまい目が覚めなかったので、まるで数分前に彼と話したかのようだが、実際には既に丸々数日が経過している。医師からもらった鎮痛剤が私をぐっすり眠らせたのだろう、彼がベッドに乗ってきた時でさえ目覚めなかった。彼がここを発ってからどれくらい経ったのか、全く見当...