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第502話

エレベーターの冷たいクロムの壁に頭をもたせかけ、上階に戻るまでの秒数を数える。たった一時間半しか経っていないのに、何日も離れていたような気分だ。ベッドに戻って横になり、眠りたい。頭が痛く、この一時間は地獄のようだった。新入生たちが混雑した廊下で押し合いながら絶え間なくおしゃべりしていたのだから。足は痛いし、服はクリスチャンが周りの人に空間を作らせるためにみんなに振りまいていた安っぽい香水の匂いがする。あの子がどこでそんなものを手に入れたのか見当もつかない。どうやら、おしっこのような匂いを周りに振りまくことが、人々を遠ざける良い方法らしい。でも私には片頭痛を引き起こしただけだった。

目を閉じか...