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第365話

ソフィー・ハンツバーガー

再び混雑したクラブを重い足取りで引きずるように歩く。まるで海の上にいるかのように、すべてが揺れ動き、傾いている。以前ほど酔っていないとはいえ、方向感覚を失い、頭はぼんやりしている。アリックを見失ったようだが、電話は相変わらず耳に貼りついたまま、聞こえるのは沈黙だけ。空白の画面を見るために携帯を下げると、バッテリーが切れていることに気づき、完全に気力が抜けたようにため息をつく。最近の人生の成り行きにうんざりしている。もう何一つうまくいかないみたい。

酔いを覚ますために深呼吸をすると、体が力なく垂れ下がる。また涙が引いたので、手の甲で適当に顔を拭う。心は麻痺したような...