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第354話

私たちは大きな階段を半分ほど降りたところで、ドアに近づいていた。おそらくそこには私を連れ去り、二度と生きて見つからないようにするための車が待っているのだろう。もし彼に外へ連れ出されたら、この場所から連れ去られたら、すべては絶望的だ。誰も私がどこにいるのか分からなくなる。彼の思うがままにされてしまう。そんなことは絶対に許せない。

ジェイクはこれに耐えられない、彼は壊れてしまう。彼を彼たらしめている美しい魂は、永遠に打ちのめされ、砕かれてしまうだろう。

私は彼の姿を心に思い描いて、勇気と力を得ようとする。彼の美しい顔と力強い体、あの落ち着いた態度と情熱的な心。私の体と魂、私が息をする理由。彼と...